思春期の煩い

 私は今の季節と同様に初夏から梅雨に向かうように心の中が、じめじめと、し始めてきた。私の体は少女から大人へとだんだんと脱皮し始めている。その証拠に白魚のように真白く透き通った私の体にはピンク色の乳頭をつけた乳房が少しずつ膨らみ始め今では盃を伏せた大きさにまでになってきた。今日も膨らみ続け、もうすぐ子供茶碗を伏せた大きさに近づいてきている。それが大きくなるたびに私の胸は痛みを少しずつ感じる。一方、下腹には縦になって少し口をあけたハマグリが、その唇の中から顔をのぞかせたピンク色の貝柱と左右の2枚舌を見せている。その唇に沿って淡い若草が生えて、さらにその唇の上のビーナスの丘には淡い若草がV字型に伸びて生え「ここに注目してよ」と私の体のワンポイント及びアクセスポイントを強調しているかのように思える。また、月に一度は、ハマグリからは赤い葡萄酒が生産されて、そのたびに下腹が痛くなりショーツにあてがわれたナプキンを真っ赤に染める。なぜ、そのような現象が起きるかよくわからない。ママに聞いても知らんふりをしまう。友達も、はっきりとは分からないと言う。学校の先生には相談しにくい。相談しやすい雰囲気を持った先生はいない。毎日が悶々とする私、どうにかなってしまいそうだ。お風呂で鏡に映った私の透き通った裸身を見つめると日ごとに丸みを帯びて艶めいていることがよくわかる。特にピンク色の乳首を頂点にする乳房と淡いV字型の若草を敷き詰めた下腹を見つめると、つい自分自身がうっとりとしてしまう。そして不思議なことに、夜にベッドに横たわると自然に手が乳房と下腹をまさぐり始めいつの間にかショートを脱いでしまっている。真っ裸で男性を追っかけたり戯れたりしている夢を見ながら声を出しているが言葉になっていないような気がする。その結果、布団にはその証拠を示すかのように点々と数個の黄色いシミができている。そのことを朝、起きてからに気が付くと恥ずかしいので私は顔や全身を真っ赤に染めて布団の中に潜り込んでしまい、あわてショーツを履く。家族は誰も知らない私の夜の行動を。でも、夜寝る前にベッドに入るまでのモヤモヤはすっかり消えてしまって、すっきりした気分で朝を迎えている。今日も学校での勉強にガンバローっと。